1. ブレンド作りのセオリーとは

1. ブレンド作りのセオリーとは

※この記事は「カスタムブレンドキット scene」をご購入し、ブレンド作りをする方に向けた記事です。

 

ブレンドコーヒーとは何か?という質問への正確な答え

コーヒーはとても身近なところにありながら、非常に奥が深く、普通に生活しているだけでは知り得ないこともたくさんあります。

例えば、ブレンド。

以前、コーヒー講座をやらせていただいた時、参加者の方に「ブレンドコーヒーってなんですか?」とたずねてみたところ、

「いつもの定番のやつ」
「普通のコーヒー」
「そういう種類・・・?」

など、色々な答えが返ってきました。


正確な答えは、

  • ブレンドコーヒーとは、様々な産地のコーヒー豆を混ぜて作り出した新しい風味のコーヒー

です。

ブレンドコーヒーは、カフェのメニュー表の一番上に少し安い値段で書かれていることが多いです。要するにその店の看板メニューなんですよね。その店らしいというか。


看板メニューがあると、店にもメリットがあります。一番のメリットは、注文が集中すること。機械を使わず手で抽出するハンドドリップの場合、どうしても1回の抽出で5分程度かかってしまいます。

4人のお客さんが4種類のコーヒーを頼むと、20分。4人のお客さんが全員ブレンドを頼むと、5分で済みます。だから、安くてもしっかり利益が出せるというわけです!

 

ブレンドは、作り手の想いを込めればそれが正解

ブレンドに正解があるとすれば、それは

  • どんな想いを込めたか

ということです。


わざわざブレンドしなくても、ブレンドしていないシングルの豆で、とても美味しいコーヒーはわんさかあります。

わざわざブレンドするのは、想いがあるから。だから、個人的にブレンドを作る分には、ちょっと個性的な味も、ステキなんです。

とはいえ、キレイにまとまった、美味しいコーヒーを作りたい!!という方もいるでしょうから、下にポイントを書いていきますね。

 

初級編

POINT1. 焙煎度の近いものでまとめる

焙煎度とは、コーヒー豆の焼き加減です。お肉でいうなら、レア、ミディアム、ウェルダン・・・みたいなイメージです。

SCENE FACTORY COFFEE ROASTERSで扱っているものでいうと、浅いものから

  • ミディアム
  • ハイ
  • シティ
  • フルシティ
  • フレンチ

と5段階で焙煎しています。


例えば、ミディアムとフレンチを混ぜると、味がごちゃっとしてしまうことが多いです。なので、まずは「おとなりの焙煎度合い同士」で混ぜるのが無難です。

 

POINT2. あまりたくさんの豆を使わない

ブレンドするときに使用する豆の数が多くなればなるほど、味は平均的になっていくと考えています。

しっかりと個性を活かし、豆同士の良さを引き出すには、できれば2〜3種類の豆でまとめたいところです。

2種類だと「好きな豆があるけど、ちょっと物足りない部分を他の豆で少し足す」という、とてもシンプルな考え方で作れますよ。

 

 

中級編

ここからは、素材となるシングルのコーヒーの試飲をして、風味の特徴をとらえ実践する必要があります。

 

POINT3. 豆の役割を意識する

ベースとなる豆、補助になる豆、アクセントとなる豆など、役割を意識して味を重ねていきます。

 

ベースとなる豆

まずは、自分のイメージに一番近い豆や、好みの風味の豆をベースに選びます。 

補助になる豆

そのベースの豆に、例えばもう少し口当たりをまったりさせたいな、という時に舌触りがトロッとしたものを足したりします。余韻が短いから長くしたい、すっきりさせたい、香りが弱いから足したいなど、足りないものを補うイメージです。

アクセントとなる豆

また、アクセントになる豆を少し入れることもあります。僕は、最後にフワッと鼻に抜ける香りを足したいときに、香りが強いけど派手すぎるような豆をちょっぴり足したりします。

 

 

POINT4. 生産処理方法を意識する

コーヒー豆は、木になる果実の種です。この果実から取り出した種を、乾燥した生豆の状態まで処理することを、生産処理や精製などと言います。

この処理方法はいくつか種類があり、その方法によって「豆の風味の特徴」をある程度想像することができます。

ここでは詳しい方法を解説しませんが、代表的な生産処理方法の特徴を挙げておきます。参考にしてください。

 

ウォッシュド

スッキリした風味。クリアで雑味が少ないことが多い。

 

ナチュラル

果実の風味が強く、香りも豊か。ウォッシュドより雑味のあることが多い。

 

パルプドナチュラル

ウォッシュドとナチュラルの中間。個性的かつクオリティの高いものも多い。

 

スマトラ式

土っぽいエキゾチックな独特な風味。

 

 

POINT5. 風味のかけ離れた豆は近い比率で混ぜない

豆の風味には、何パターンか存在します。僕が意識している分類は、例えば、

  • 柑橘系
  • ベリー系
  • ナッツ系

などがあります。


例えば、柑橘系とナッツ系を「50:50」で混ぜると、よく分からない味になっちゃうことが多いんですよね。

  • 際立たせたい方の豆の比率を多くする

ことで、上手くバランスがとれると思います。

風味のバリエーションもたくさんあります。「コーヒーフレーバーホイール」で検索してみてください。コーヒーの風味表現の一覧が見れますよ。

 

 

POINT6. 産地を意識する

産地によっても風味に特徴があるため、ブレンドを作るときに、産地情報は重要です。

大きくわけて、中米、南米、アフリカ、アジアその他とありますが、それぞれの特徴に傾向があります。産地の特徴を覚えていると、POINT3〜5の風味を予測するのに役立ちます。

ブレンドで使いたい豆の産地が、世界地図のどのあたりにあるのか確認しながら作ってみると、面白いですよ。

 

とにかく作ってみよう!

さて、百聞は一見(一ブレンド)にしかず、やってみるのが一番です!


コンセプトづくりと、試飲による風味の把握さえしっかりできれば、お店で出せるようなブレンドコーヒーが作れるはずです!

それでは、楽しんで、作ってみてください!

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