冷凍したコーヒー豆はそのまま淹れて大丈夫?常温の豆と飲み比べてみた|SCENE COFFEE NOTE
コーヒー豆を冷凍保存している方から、よく聞かれる質問があります。
「冷凍庫から出した豆は、常温に戻してから淹れたほうがいいですか?」
私自身も気になっていたところです。
冷凍した豆をそのまま挽けば、粉も冷たいはず。
その状態でお湯を注ぐと抽出に影響するのか。
それとも、ほとんど変わらないのか。
そこで、同じコーヒー豆を「常温保存したもの」と「冷凍庫から出した直後のもの」に分け、同じ条件でハンドドリップして飲み比べてみました。
結果からいうと、私には神経質になるほど、そこまで大きな違いがあるとは思いませんでした。
むしろ気になったのは、抽出そのものよりも「結露」。
冷凍したコーヒー豆を扱うなら、こちらのほうが注意したいポイントです。
冷凍した豆をそのままミルで挽いてみる
使用したのは、ブラジルの中煎り、ハイローストのコーヒー豆。
一方を常温で保存し、もう一方を冷凍庫へ。
それぞれ同じ量を計り、同じミルで挽きます。
まず意外だったのが、冷凍した豆を挽いたあとの粉。
触ってみても、ほとんど冷たくありません。
「冷凍していた粉」という感じが、思った以上にない。
豆の状態ではしっかり冷えていても、粉にすると表面積が一気に増えます。
さらに、ミルで挽く工程でも多少の熱が加わるためでしょうか。
少なくとも手で触った感覚では、常温の粉との差はほとんど感じませんでした。
ここは、実際に試してみて少し驚いたところです。
冷凍庫から出した瞬間は「これをそのまま淹れて大丈夫かな」と思うのですが、粉にしてしまうと、いつものコーヒーとほぼ同じ。
蒸らしの膨らみ方もほとんど同じ
続いて、それぞれ同じ条件でハンドドリップ。
まず冷凍した豆へお湯を注いでみると、粉はしっかりと膨らみました。
常温の豆と比べても、蒸らしの状態に大きな違いはありません。
その後の抽出も、いつもの感覚。
冷凍した豆だからお湯の抜け方が極端に変わる、粉が膨らまない、といったこともありませんでした。
続いて常温の豆も同じレシピで抽出。
見た目や抽出中の感覚を比べても、私にはほぼ同じように感じられました。
少なくとも今回の条件では、「冷凍した豆だから淹れ方を変えなければならない」というほどの差はなさそうです。
飲み比べても、風味の差はそこまで大きくなかった
そして一番気になる、味の比較。
冷凍庫から出してすぐに挽いた豆と、常温で保存していた豆。
交互に飲み比べてみました。
……ほとんど一緒。
香り、酸味、甘さ、口当たり。
もちろん、完全に成分分析をしたわけではありません。
細かな違いまで測定すれば何か差がある可能性はあります。
ただ、普通に飲み比べた範囲では、私は明確な違いを感じられませんでした。
並べて飲み比べれば違いはわかるものの、黙って出されても冷凍していたかしていなかったかを判断出来ないです。
正直、もう少し差が出ると思っていました。
冷たい豆を使えば、抽出中のお湯の温度が下がったり、味が薄くなったりするのではないか。
そんな予想もあったのですが、今回の検証ではそこまで大きな違いは感じませんでした。
少なくとも家庭で普段コーヒーを楽しむ範囲なら、冷凍した豆をわざわざ常温へ戻す必要は、それほどないのかもしれません。
むしろ気になったのは「結露」
今回の検証で、味の違いよりも気になったことがあります。
冷凍庫から取り出した容器の結露です。
冷たい容器を室内へ出すと、外側にかなり水滴が付きます。
当然、同じことはコーヒー豆でも起こり得ます。
特に、大きな袋を冷凍庫から取り出して開封し、必要な分だけ豆を取り出して、また冷凍庫へ戻す。
これを毎日繰り返すのは、あまりおすすめしたくありません。
冷たい豆や袋へ室内の湿気が触れ、豆が水分の影響を受ける可能性があるからです。
冷凍保存で私が一番気をつけたいと思うのは、この部分。
「凍った豆で抽出してよいか」より、「冷凍庫から何度も出し入れしていないか」のほうが重要だと思っています。
冷凍するなら必要な量だけ取り出す
コーヒー豆を冷凍保存するなら、あらかじめ小分けしておくと扱いやすくなります。
たとえば、1回分ずつ。
そこまで細かく分けるのが大変なら、数日〜1週間程度で飲み切る量でもよいと思います。
使う分だけ冷凍庫から取り出し、一度出したものはそのまま使う。
そうすれば、大袋を何度も冷凍庫と常温の間で往復させる必要がありません。
小分けして、必要な分だけ取り出す。
シンプルですが、冷凍保存では大切なポイントです。
保存方法は、こだわり始めるとどんどん複雑になります。
ただ、毎日飲むコーヒーだからこそ、面倒すぎる方法は続きません。
常温保存と上手に組み合わせて無理のないあなたなりの方法を見つけるのが良いと思います。
冷凍したコーヒー豆は、すぐに淹れてもよさそう
今回、常温の豆と、冷凍庫から出してすぐの豆を同じ条件で淹れ比べてみました。
粉の状態、蒸らし、抽出中の感覚、そして実際の味。
私は、そこまで気にするほどの違いがあるとは思いませんでした。
もちろん、豆の種類や焙煎度、冷凍期間、抽出方法などが変われば、結果も変わるかもしれません。
それでも、「冷凍した豆は必ず常温へ戻してから淹れなければならない」と、そこまで神経質になる必要はなさそうに思います。
関連記事:冷凍したコーヒー豆は解凍すべき?保存と抽出の注意点を解説
◾︎筆者

SCENE FACTORY COFFEE ROASTERS代表
篠田 拓也
SCAJ公認アドバンスドコーヒーマイスター
SCAJ公認サーティファイドスペシャルティーコーヒーカッパー
