おばあちゃんの玉子サンド | 湯気が冷めないうちに。vol.2
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思い出の味
わたしにとっての玉子サンドは、昔からずっと厚焼き玉子でした。
小学生の頃。
学校から帰ってきて、ランドセルを降ろすなり「お腹すいたー」と連呼するわたしに、おばあちゃんがよく作ってくれたのを覚えています。

食パンに、厚焼き玉子ときゅうり。
ケチャップ、マヨネーズ、塩胡椒だけのごくシンプルな味付け。
お中元の時期はハムが挟まっている日もあったり。
先日、仕事帰りのスーパーで陳列されたきゅうりを見た途端、おばあちゃんの玉子サンドが頭に浮かびました。
なんだか無性に食べたくなって、きゅうりを1本握りしめてレジへ。
休みの日に絶対作ろう、と心に決めながら急ぎ足で家へ帰りました。
記憶をなぞる
待ちに待った休日。
早起きしてカーテンと窓を全開にすると、心地よい風が部屋に入り込んできます。
「ベランダで朝ごはんを食べられるようにしといて!」とパートナーに頼んで、サンドイッチ作りの準備に取りかかります。
作るにあたって事前におばあちゃんから聞いていたレシピを頭の中で反芻しながら、食材をカット。
食パンは、半分はそのまま、もう半分はトースターでカリッとさせます。
パンの耳は砂糖を絡めてデザート用のラスクに。
主役の厚焼き玉子は、贅沢に卵を4つ使いました。
焼き目のついた食パンとそのままの食パン、両方に調味料を塗って。
アクセントに粒マスタードも追加して、食材を並べる。
きゅうりが飛び出さないようそぉっと半分に切れば、完成です。

ベランダからも「こっち準備できたよー」という声が聞こえてきました。
サンドイッチとコーヒーマグを持ってベランダへ。
レジャーシートとクッション、机代わりのスツールが用意されていて、あとは食べるだけです。
おいしさの正体

サンドイッチを一口齧ると、懐かしいあの味。
なんだか小学生時代に戻ったような気持ちになります。
同時に、あのおいしさの正体は、おばあちゃんの愛情も大きかったんだと気づきました。

隣で嬉しそうにサンドイッチを頬張る表情からも、人に作ってもらった料理が特別おいしい理由が分かったような気がします。
今日、おばあちゃんに電話してみよう。
むずがゆい気持ちを、熱いコーヒーと一緒に流し込んで。
とてもおいしかったです。ごちそうさまでした。
writing:クリエイター 樋口