ドリッパースタンドは必要?使うメリットと、なくても困らない人を解説|SCENE COFFEE NOTE
ハンドドリップの器具のひとつに、「ドリッパースタンド」というものがあります。
ドリッパーをサーバーの上に直接置くのではなく、スタンドを使って浮かせるための道具です。
見た目もいいですし、コーヒー器具として並べておくとちょっと気分も上がる。
ただ、なくても普通にコーヒーは淹れられます。
僕自身、この動画を撮るときは大きなスタンドを用意するのが面倒で、ほとんど使ってきませんでした。
でも、実は店ではいつも使っています。
では、なぜわざわざドリッパースタンドを使うのか。
一番の理由は、「注いだお湯の量」ではなく、「実際に出来上がったコーヒーの量」を測れるからです。
ドリッパースタンドで何が変わる?
ドリッパースタンドの構造自体は、とてもシンプルです。
サーバーとドリッパーを離して、ドリッパーを浮かせる。それだけ。
でも、スケールの上にサーバーだけを置けるようになるので、実際にサーバーへ落ちたコーヒーの重さだけを測れるようになります。
通常のように、サーバーの上へ直接ドリッパーを置いてスケールに載せた場合、表示されるのは「注いだお湯の量」です。
例えば180gのお湯を注いでも、180gすべてがコーヒーとしてサーバーに落ちるわけではありません。
コーヒーの粉が水分を吸いますし、抽出途中ならドリッパーの中にもまだお湯が残っています。
つまり、180gと表示されていても、実際に何gのコーヒーが出来上がっているのかは分からないんです。
「何g注ぐか」と「何g落とすか」は違う
ここは、レシピを作るときにけっこう面白いところです。
ドリッパースタンドを使わない場合は、
「コーヒー13gに対して、お湯を200g注ぐ」というように、基本的には注湯量を基準にレシピを作ることになります。
一方、ドリッパースタンドを使えば、
「出来上がったコーヒーが150gになったら抽出を終了する」という考え方ができます。
つまり、何g注いだかではなく、何gのコーヒーを作ったかで管理できる。
どちらが正しいという話ではありませんが、レシピの考え方そのものが少し変わります。
最後まで落とし切らないレシピでは便利
特にドリッパースタンドが便利なのが、抽出の途中でドリッパーを外すレシピです。
以前の記事でも、「ハンドドリップは最後まで落とし切ると雑味が出るのか?」という検証をしました。
最後まで落とさず、途中で抽出を終える場合、スタンドがあればサーバーに落ちたコーヒーの量を確認しながら、狙った量になったところでドリッパーを横へ移動できます。
例えば「150gのコーヒーが出来たら終了」と決めておけば、その数字を見ながら抽出を止められる。
お店で同じレシピを何度も再現するなら、こういう管理のしやすさはかなり便利です。
僕たちが店でドリッパースタンドを使っている理由も、見た目よりこっちのほうが大きいです。
逆に、ドリッパースタンドがいらない人は?
では、家庭でもドリッパースタンドを買ったほうがいいのか。
僕は、必ずしも必要ではないと思っています。
「200gのお湯を注ぐ」というように、注湯量でレシピを管理しているなら、ドリッパーを直接サーバーに載せても問題ありません。
最後まで落とし切らない場合でも、目盛り付きのサーバーなら、おおよその出来上がり量を見ながら途中でドリッパーを外すこともできます。
家庭で一杯ずつコーヒーを楽しむなら、それで十分な方も多いと思います。
逆に、抽出量まで細かく管理したい人や、毎回同じレシピを再現したい人には、ドリッパースタンドがあるとかなり便利です。
必要かどうかは、レシピの作り方次第
ドリッパースタンドは、持っていないとハンドドリップができない道具ではありません。
なくても、普通においしいコーヒーは淹れられます。
ただ、「何gのお湯を注いだか」ではなく「何gのコーヒーが出来上がったか」を基準に抽出したいなら、とても使いやすい道具です。
こういう器具は、「持っているほうが本格的」というより、自分がどうコーヒーを淹れたいかで選べばいいと思っています。
注湯量で管理するなら、なくてもいい。
抽出量まできっちり管理したいなら、あると便利。
ドリッパースタンドは、そんな道具です。
◾︎動画でも解説しています
Instagramでもコーヒーの楽しみ方を発信中ですので、ぜひご覧ください。
◾︎筆者

SCENE FACTORY COFFEE ROASTERS代表
篠田 拓也
SCAJ公認アドバンスドコーヒーマイスター
SCAJ公認サーティファイドスペシャルティーコーヒーカッパー
