ハンドドリップにスケールは必要?初心者こそ使ってほしい理由|SCENE COFFEE NOTE
ハンドドリップの動画を見ると、コーヒーの下にスケールを置いて、重さと時間を測りながら淹れている人が多いと思います。
SCENE FACTORY COFFEEでも、コーヒーを抽出するときは基本的にスケールを使っています。
では、スケールがないとおいしいコーヒーは淹れられないのか。
そんなことはありません。
僕自身、スケールがなくてもおいしいコーヒーは淹れられると思っています。
ただ、これからハンドドリップを始める方や、まだ自分のレシピが安定していない方には、むしろ積極的に使ってほしい道具です。
スケールを使うと、自分の淹れ方が見える
コーヒースケールで測るものは、基本的には「重さ」と「時間」です。
例えば、
「豆15gに対して、お湯を200g使う」
「30秒蒸らして、2分30秒で抽出を終える」
というように、普段なんとなくやっている抽出を数字にできます。
これが初心者の方にはかなり大切だと思っています。
スケールを使わずに淹れていると、「昨日はおいしかったのに今日はちょっと苦い」というときに、何が違ったのか分からないことがあります。
でも、豆の量、お湯の量、抽出時間が分かっていれば、少なくとも比較する材料が残ります。
自分がどう淹れているのかを知るための道具。
最初は、そんな感覚で使うのがおすすめです。
お店では「誰が淹れても同じ味」にするために使う
僕たちのカフェでスケールを使う理由は、もうひとつあります。
スタッフによる味のブレを少なくするためです。
僕ひとりで毎日コーヒーを淹れるなら、ある程度感覚で調整することもできます。
でも、お店ではいろいろなスタッフが同じコーヒーを抽出します。
人によってお湯の量や抽出時間が大きく違えば、当然カップの味も変わってしまいます。
そこで、
「何秒で何gまで注ぐ」というところまでレシピにしておく。
そうすると、経験の違うスタッフでも同じ条件に近づけやすくなります。
スケールは、おいしさを作ってくれる道具というより、おいしかった一杯を再現するための道具なんですよね。
でも、スケールに依存しすぎるのも少し違う
ここまでスケールをおすすめしてきましたが、ずっと数字だけを追いかければいいかというと、僕はそうも思いません。
例えば、抽出中にスケールのゼロ設定を間違えたり、タイマーを押し忘れたりすることがあります。
そんなとき、数字だけを頼りにしていると、急にどう淹れればいいのか分からなくなってしまう。
でも、普段から粉の状態や、お湯の落ち方、サーバーにたまっている量を見ていれば、
「今これくらいだから、次はこのくらい注げばいいな」と途中で修正できます。
最初は数字を使って覚える。
そのうち数字と自分の感覚がつながってくる。
僕は、その状態が理想だと思っています。
普通のキッチンスケールでも大丈夫
これからコーヒーを始めるなら、最初から専用のコーヒースケールを買わなくても大丈夫です。
普通の家庭用スケールで重さを測って、スマートフォンのストップウォッチで時間を測る。
それでも十分です。
ただ、専用のコーヒースケールは、重さとタイマーを同じ場所で見られるのが便利です。
ハンドドリップ中は、意外と見るところが多いんですよね。
粉の状態を見ながら、お湯を注ぎ、重量を確認し、さらに時間も見る。
これを全部同時にやるので、重さと時間が一画面にまとまっているだけでもかなり楽になります。
僕がコーヒーを始めた頃に使っていたのも、HARIOのシンプルなコーヒースケールでした。
今でも店のスタッフが使うことがあります。
最初は、それくらいの機能で十分だと思います。
初心者こそ、一度数字で淹れてみてほしい
ハンドドリップにスケールは絶対に必要か、と聞かれれば、答えは「なくても大丈夫」です。
でも、これからコーヒーを覚えたいなら、僕は使うことをおすすめします。
自分が何gのお湯を使って、何分で抽出しているのか。
それが分かるだけでも、コーヒーの味を考えやすくなります。
そして慣れてきたら、数字だけではなく、粉の状態やお湯の落ち方も見る。
最初はスケールを使って感覚を覚え、最後はスケールがなくてもある程度淹れられる。
そのくらいが、道具とのちょうどいい付き合い方だと思っています。
◾︎動画でも解説しています
Instagramでもコーヒーの楽しみ方を発信中ですので、ぜひご覧ください。
◾︎筆者

SCENE FACTORY COFFEE ROASTERS代表
篠田 拓也
SCAJ公認アドバンスドコーヒーマイスター
SCAJ公認サーティファイドスペシャルティーコーヒーカッパー
