コーヒーの豆とお湯の比率は1対15が正解?ブリューレシオの考え方|SCENE COFFEE NOTE
ハンドドリップのレシピを調べていると、「コーヒー豆とお湯の比率は1対15がおすすめ」というような数字をよく見かけます。
例えば、豆10gならお湯150g。豆20gならお湯300g。
この豆とお湯の比率を「ブリューレシオ」と呼び、コーヒーのレシピを作るときの基準として使います。
では、1対15で淹れれば、一番おいしいコーヒーになるのでしょうか。
僕は、そうは思っていません。
1対15はとても使いやすい基準ですが、あくまでスタート地点。
その数字から、自分の好きな味に合わせて調整していくのが大切です。
ブリューレシオとは?
ブリューレシオは、コーヒー豆に対して何倍のお湯を使うかを表したものです。
例えば、
- 豆10g、お湯150gなら1対15
- 豆15g、お湯180gなら1対12
- 豆20g、お湯300gなら1対15
という考え方です。
レシピを記録するときに便利ですし、違う豆や違う抽出方法を比較するときにも使いやすい数字です。
ただ、ここで注意したいのが、同じ比率なら同じ味になるわけではないということです。
10gと20gでは、同じ1対15でも味は変わる
例えば、豆10gに対してお湯150gで淹れて、とてもおいしくできたとします。
では単純に2倍にして、豆20g、お湯300gにすれば、まったく同じ味で二杯分作れるのか。
実際には、そんなに簡単ではありません。
豆の量が増えると、ドリッパーの中にできるコーヒー粉の層も厚くなります。
その結果、お湯が抜けるスピードや粉の中でのお湯の動き方が変わり、抽出時間も変わってきます。
同じ1対15でも、抽出条件は同じではないんですね。
僕たちプロでも、一杯分の150mlと二杯分の300mlを、まったく同じ風味で淹れるのは意外と難しいです。
だから、1対15という数字だけを守るのではなく、実際に飲んだ味を見ながら調整する必要があります。
僕は1対12くらいで淹れることもある
僕自身、いつも1対15で淹れているわけではありません。
例えば、一投式で淹れるときは、豆15gに対してお湯180gくらいを使うことがあります。
比率にすると1対12です。
180gのお湯を注いで、出来上がるコーヒーはだいたい150gくらい。
一投式では、蒸らしたあとに残りのお湯をまとめて注ぐので、抽出時間は比較的短くなります。
そのため、僕のレシピでは1対15だと少し物足りなく感じることがあり、豆を多めに使っています。
抽出自体はすっきりしている。でも、豆を多めに使っているので味の強さもある。
僕は、このバランスがけっこう好きです。
つまり、ブリューレシオは「何対何が正しいか」ではなく、どんな抽出方法で、どんな味を作りたいのかによって変わるものだと思っています。
濃い・薄いを感じたら、そこから変えてみる
これからハンドドリップを始めるなら、まず1対15で淹れてみるのはいい方法です。
そこから飲んでみて、
「もう少ししっかりした味がほしい」と思えば、豆を少し増やしてみる。
逆に、「少し濃すぎるな」と感じたら、お湯を増やしたり豆を減らしたりしてみる。
さらに、挽き目や湯温、注ぐ回数、抽出時間を変えれば、また違う味になります。
数字は、答えではなく調整するための基準です。
最後は、自分の舌で決める
コーヒーの抽出は、数字を使う場面がけっこう多いです。
豆の量、お湯の量、時間、温度。
いろいろ測ってレシピを作りますが、最終的にそのレシピがいいかどうかを判断するのは、自分の舌です。
1対15で淹れてみて、おいしかったらそのままでいい。
少し違うと思ったら、1対14でも1対12でも試してみればいいと思います。
ちなみに動画で電卓を叩いていたら、「電卓打つの速いですね」と言われました。
実は僕、コーヒーの仕事をする前は税理士事務所に勤めていたので、電卓はちょっと得意です。
でも、コーヒーのレシピは電卓だけでは決まりません。
数字で淹れて、最後は飲んで決める。
その調整まで含めて、ハンドドリップを楽しんでもらえたらと思います。
◾︎動画でも解説しています
Instagramでもコーヒーの楽しみ方を発信中ですので、ぜひご覧ください。
◾︎筆者

SCENE FACTORY COFFEE ROASTERS代表
篠田 拓也
SCAJ公認アドバンスドコーヒーマイスター
SCAJ公認サーティファイドスペシャルティーコーヒーカッパー
