個人的に好きなコーヒードリッパー3選。V60・ORIGAMI・メリタの魅力|SCENE COFFEE NOTE
Share
ハンドドリップを始めると、少しずつ気になってくるのがドリッパーの違い。
円すい型、台形型、穴の数、内側のリブ。
形や構造の異なるドリッパーが数多くあり、それぞれに違った考え方があります。
ただ、この記事では「初心者に最もおすすめのドリッパー」や、「性能が優れているドリッパー」を順位づけするつもりはありません。
紹介するのは、私がこれまで実際に使ってきた中で、個人的に好きな3つ。
使いやすさ、見た目、構造のおもしろさ。
好きな理由は、それぞれ違います。
定番のHARIO V60。
デザインと抽出の自由度が魅力のORIGAMI。
そして、今あらためて使ってみると面白い、メリタの一つ穴式。
どれも、コーヒーの楽しみ方を広げてくれたドリッパーです。
基準になる存在、HARIO V60
一つ目は、HARIOのV60。
円すい形の本体、大きな一つ穴、内側に刻まれたスパイラル状のリブ。
現在のハンドドリップを代表するドリッパーのひとつです。
私にとってV60は、さまざまなドリッパーを比較するときの基準となる存在。
注ぐお湯の量やスピードによって、味を大きく変えられます。
静かに注いでやわらかな味にすることも、粉全体を動かしてしっかり抽出することも可能。
シンプルな形に見えて、かなり自由度の高いドリッパーです。
多くのコーヒーショップや焙煎所で使われているため、抽出レシピが豊富なのも大きな魅力。
新しいレシピを試すときも、ほかのドリッパーを使ったときも、「V60と比べてどうか」と考えやすくなります。
一つだけドリッパーを選ぶなら、やはりV60。
そんな安心感があります。
使い込むほどいろいろな表情が見えてくるところが好きです。
見た目も含めて楽しいORIGAMI
二つ目は、ORIGAMIドリッパー。
名前の通り、折り紙を思わせる美しいリブと、豊富なカラーバリエーションが特徴です。
まず、見た目がいい。
コーヒー器具は毎日のように使うものなので、性能だけでなく、置いてある姿も大切だと思っています。
キッチンやカウンターにあるだけで、少し気分が上がる。
ORIGAMIには、そんな楽しさがあります。
もちろん、好きな理由はデザインだけではありません。
ドリッパー内側に並んだ深いリブによって、ペーパーフィルターとの間に空間が生まれ、お湯が比較的スムーズに流れます。
私が使った印象では、クリアで軽やかな味に仕上げやすいドリッパー。
華やかな香りや明るい酸味を持つコーヒーを、すっきりと楽しみたいときに使いたくなります。
円すい型のペーパーフィルターだけでなく、ウェーブ型のフィルターを使えるのも面白いところ。
フィルターを変えるだけで、お湯の流れ方や味の印象が変化します。
同じ豆でいろいろ試したくなる構造です。
見た目が美しく、抽出にも遊びがある。
使っても飾っても楽しいドリッパーです。
構造と思想が面白いメリタの一つ穴式
三つ目は、メリタの一つ穴式ドリッパー。
V60やORIGAMIに比べると、最近のスペシャルティコーヒーショップでは見かける機会が少ないかもしれません。
私自身、最初は少し「昔ながらの器具」という印象を持っていました。
ただ、実際に使ってみると、かなり面白い。
メリタは、ペーパードリップの原型を生み出したメーカーです。
一つ穴式のドリッパーには、注ぎ手が細かく流速を調整するのではなく、器具側でお湯の流れを管理するという考え方があります。
蒸らしたあと、必要な量のお湯をまとめて注ぐ。
あとはドリッパーに任せる。
注ぎ方の技術によって味を作るV60とは、まったく異なる発想です。
下記の動画で紹介したモデルは、抽出口が底の中央ではなく、少し側面寄りに配置されていました。
抽出液をすべて落とし切らず、底に少し残すような構造。
そこに、単に昔の形を守るだけではなく、一つ穴という考え方を残しながら改良を続けているメーカーの姿勢を感じます。
そして、実際に淹れたコーヒーがおいしかったこと。
新しい器具ほど優れているわけではありません。
長く残ってきた構造には、残ってきた理由がある。
そのことをあらためて感じさせてくれたドリッパーです。
好きなドリッパーは、性能だけでは決まらない
今回紹介した3つは、それぞれ好きな理由が異なります。
HARIO V60は、抽出の基準になる自由度の高さ。
ORIGAMIは、美しいデザインと、使い方を試したくなる楽しさ。
メリタは、一つ穴という構造に込められた思想と、今使っても感じるおいしさ。
どれが最も優れているか、という話ではありません。
ドリッパーには、それぞれ異なる考え方があります。
注ぎ手が積極的に味を作るもの。
器具に流れを任せるもの。
抽出だけでなく、使う時間や見た目まで楽しませてくれるもの。
ドリッパーを替えると、同じコーヒー豆でも違う表情が見えてきます。
だから、私はいろいろな器具を試すのが好きです。
最初は、見た目や直感で選んでもいいと思います。
使い続けるうちに、味だけではない「好きな理由」が見つかることもあります。
コーヒーを淹れるための道具でありながら、それ自体が趣味にもなる。
ドリッパーは、そんな器具です。
◾︎動画でも解説しています
Instagramでもコーヒーの楽しみ方を発信中ですので、ぜひご覧ください。
◾︎筆者

SCENE FACTORY COFFEE ROASTERS代表
篠田 拓也
SCAJ公認アドバンスドコーヒーマイスター
SCAJ公認サーティファイドスペシャルティーコーヒーカッパー
