真夜中のアフォガート | 湯気が冷めないうちに。vol.3
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東京に住む10年来の友人姉妹が、わが家に遊びに来てくれました。
家篭りとおいしいものが好きな3人。
そんな人間が集まったら、いちばん盛り上がるのは夜会の時間です。
10:00 p.m.

ワインのお供に、柿とカマンベールのサラダを用意。
フルーツとチーズのサラダは、食材を切って調味料をかけただけなのに、どうしてこんなにおいしいのでしょうか。

これは持論ですが、料理において「上にかけるもの」━━オリーブオイルやはちみつ、ブラックペッパー、ごま油、ニンニク、生姜、チーズ、ネギなど━━は、多ければ多いほどおいしいです。
01:00 a.m.
日付が変わる頃、「なんか甘いもの食べたい」と姉妹。
実は、友人が遊びに来てくれたら、アフォガートをふるまおう!と密かに計画していました。
蚤の市で手に入れたマキネッタ(直火式エスプレッソメーカー)で、とにかく淹れてみたかったのです。
よっしゃきた!とキッチンに走り、マキネッタに深煎りの豆を詰めて、ハロゲンヒーターを温めます。
少し待つと、純喫茶のようなコーヒーの芳醇な香りが部屋中に漂ってきました。
マキネッタの中で静かにお湯が沸く「ポコポコ......」という音。
アイスクリームをグラスに盛り付けて、まだ湯気の立つエスプレッソを注ぎ入れたら、完成。

「アフォガート(affogato)」は、イタリア語で「溺れた」を意味する言葉。
エスプレッソの中でアイスクリームが溶けている様子から、そう名付けられたと言われています。
その「溺れる」という表現のとおり、全身の力がほどけていくのを感じながら、真夜中に食べるアフォガート。
音や香り、つかう工程から特別感を味わえる。
手軽に本格的なおいしさのエスプレッソを味わえる。
そういうところがすっかり気に入り、気難しそうだったマキネッタに親しみが湧いた夜でした。
おいしかったです。ごちそうさまでした。